プラトニッククラウド

昨日の事を言うと、鬼が寂しげに微笑む。

2019-01-01から1年間の記事一覧

30. 矯正と鍵

上顎と下顎を結びつけていた矯正器具のゴムを付ける必要がなくなった。矯正は終わらずとも、日がな一日口蓋を抑えつけ、食事や発声となれば否が応でも口蓋を抑えつけてきたゴム状拘束具を付けなくて良いというだけで、気分は軽い。特に感傷はない、ただ現実…

29. ドラマと共学

「べしゃり暮らし」のドラマを見始めた。連続ドラマは普段はあまり見ない。一話でも見逃すと、その先を見る気が失せるからだ(最近では「カルテット」がそれだった)。「べしゃり暮らし」は原作を読みたいと思っていたところだったので、ドラマが始まると聞い…

28. サイファーとパピコ

7月24日を記しておかなければならない。あくまでなんの変哲もない一日であった。だからこそ、書き残して暗いネットの海の片隅に誰にも知られず流しておかねばならないと思うのだ。それが私の青春への供養になるはずだから。昨年11月からラップをするようにな…

27. 花火と星座

現代の花火には、儚さという言葉は似合わない。言うなれば、ド派手ファンタスティックファイアーワークスショーといったところだ。開いたと思えばすぐに消えてしまうのが花火の醍醐味だとするなら、消える前に次の花火が打ち上がる花火大会はなんのためだろ…

26. 教養と一編

教養学部生としては最後のテストを今日終えた。次の試験は、経済学徒として受けることになろう。1年半の教養学部で、私は教養を身につけたと言うほどの自信は持ち合わせていない。色々な学問の末端を選り好みして齧るような享楽に甘んじていただけだ。一番簡…

25. 漢詩と憂

ここ最近、更新を忘れていた。三日坊主というわけではないが、一度忘れるとその後数日忘れてしまう。歯磨きくらい定着すればそういうこともないんだろうが。明日は漢詩の期末試験だ。この学期の試験はこれだけなので、なんとなく余裕がある。漢詩は元々、平…

24. 漫才と生鮮食品

今日、初めて人前で漫才を披露した。正直、初舞台にしては結構ウケたのではないかと思う。全くネタを飛ばさなかったのも良かったことの一つだ。自分の未熟さは一度棚に上げて、素直に嬉しい。ほとんど歌わないカラオケに行ったり、蚊に食われながらネタ合わ…

23. ワインと革命

ローザ、ロッソ、ロゼの違いを今日は考えていた。何も調べていない状態の私は、全てイタリア語で赤という意味だと思っていた。まず、ロゼが脱落した。調べたところ、フランス語で濃いピンクという意味だった。考えてみれば、ロゼワインはピンク色であるし、…

22. たなうらと特権

手の表側と言われると、つい手のひらを思ってしまうのだが、よく考えれば「たなうら」という語が手のひらを指すことから、明らかに手の表は手の甲であった。そもそも、手の平は形状、手の甲・足の甲は様態、足の裏は相対的位置を示していて、対応関係として…

21. 声と告白

自分についてのコンプレックスはあまたあるが、最も大きいものは何か自問してみると、声だと気づく。声が最大のコンプレックスだなんて、他にあまりコンプレックスがないのかと思われそうだが、そうではない。内面・外見至るところに劣等感を抱えてはいるが…

20. ナポレオンと手札

中学生くらいから、トランプゲームを好むようになった。高校時代に遊んでいたのは、専らナポレオン。いわゆるトラックテイキングゲームで、場に強いカードを出した人がその順のカードを全て取り、最終的には取った絵札の数で勝敗が決まる、というゲームだ。…

19. 五月雨と時雨

梅雨が明けない。どのくらいの経てば梅雨が明けるのか、一年経てば必ず忘れてしまう。結局、鬱々とした日々を目を瞑った状態で過ごすことになる。さみだれと云えばいくらか清々しくも聞こえるが、明らかに「さ」の音のおかげである。このジトジトした、革製…

18. 罪と罰

最近モヤモヤしていることがあり、普段ならツイートしているかもしれないが、140字に纏める能力がなかったのでこちらに書こうと思う。何か事件があったときに、断罪したがる人は多い。誰かを叩くのは娯楽の一環だという言説を見たこともあるが、強ち間違いで…

17. テトリスと睡眠

先日、ちょっとした時間を潰すためにテトリスのアプリを入れた。すぐに積み上がってしまうので、短い隙間時間にはうってつけだった。しかし、あろうことか少し上手くなって、少しハマってしまった。ちょっと上達すると、一回のゲームに20分以上かかってしま…

16. 既読と言霊

「既読無視」という言葉を最初に使った人は相当造語のセンスがあると思う。そもそも、「自分の送ったメッセージを相手が既に読んでいるにも関わらず、無視して返信を寄越さない」という状況をはっきりと認知できるようになったのは、LINEというアプリが生ま…

15. 遺伝子組み換えと好感度

遺伝子組み換えでないことを主張してくる食品はあれど、遺伝子が組み換えられたことを殊更強調する食品はない。そもそも、遺伝子が組み換えられていないのは自然な状態なのだから、わざわざ書く必要がない。履歴書に、「簿記2級を取得していない」「大型自動…

14. ミラーボールと象

『夜象』というオールナイトライブに来ている。これが初めてだ。まだ開演まで時間があるので少し書こうと思う。 23時を過ぎた電車が渋谷へと向かう。この時間帯に上り線を使う人にテンプレートはない。数は少ないが、それぞれの目的をうっすらと感じる。夜の…

13. 深夜と安寧

昼夜逆転というのがこうも簡単に起こるとは、大学生になるまで分からなかった。昔から深夜まで起きている学生だったことには違いない。家には誘惑が多く、集中して何かに取り組むには、テレビも付けられず本を読んだら眠くなるような時間がうってつけだった…

12. 敬語と懐刀

「敬語が板についてる」今日言われた言葉だ。色々あってずっと年上の人と関わる機会が多いため、19歳にしてはナチュラルに敬語で話せる方かもしれない。とは言っても、20年近く日本で生活してきて、まともに敬語が使えないなんてことは、そうそうなかろう。 …

11. 本と病

本を買ってしまう。これは一種の病だ。昨日は、目当ての雑誌を探し回っているときに、目に留まった小林賢太郎の本を買ってしまった。それを読みたいのも山々だが、多くの読みかけの後になるだろう。積ん読の山の頂は早いペースで入れ替わる。 本を買って満足…

10. 恥と雑誌

今日は右往左往だった。「芸人芸人芸人」というムック本を買おうと書店5軒にコンビニ9軒を回ったが、遂に買うことは出来なかった。芸人の街、下北沢で探したのが良くなかったか。 探しているときに気づいたのは、週刊誌の下世話さだ。写真週刊誌など買ったこ…

9. おさかなとしがらみ

radikoのタイムフリーは非常に便利で、今日は3日前の霜降り明星のオールナイトニッポン0を聴いていた。その中のコーナー、「ポケットいっぱいの秘密」通称ポケひみは、リスナーが知っている秘密を送ってせいやさんが紹介するのだが、実際は基本的になんでも…

8. まばたきと時間

突然だが、私が幼少の頃行っていた暇つぶしの方法を記そうと思う。 まず、何度もまばたきしながら、頭の中で「今だった」と唱える(「今だった」がどういう意味かは分からないが、今がいつかを見失ったのちに今を確認するという作業を繰り返すイメージ)。する…

7. ノストラダムスとフラカン

周りが続々と成人し始めた。'99生まれなので当然といえば当然だ。自分が生まれた頃の世間はノストラダムスに失望していたのだと思うと、少しずつ世界はマシになって来ている気がする。本当に少しずつではあるけど。月日は百代の過客とはよく言ったもので、去…

6. 終電とビール

今日は友人の誕生日を祝った。旧知の仲ではあるが、ちゃんとお祝いしたのは初めてな気がする。心を込めてお祝いした相手が、本当に喜んでくれるのは嬉しい。日付が変わって20歳になるまでしみじみと祝い、お酒を飲むところを見届けたらそそくさと終電に間に…

5. 筆と器

儀礼的な文章を書くのが苦手だ。このブログは日記のような感じにするつもりだったのに、気付けば苦手なことばかり書いている。好きなことばかりして毎日過ごしているので、苦手なことが浮いているのかもしれない。儀礼的でない文章を書くのは得意とは言わな…

4. 血液型と善意

血液型占いの話が苦手だ。そもそも前提を知らないからB型っぽいだのAB型らしくないだのという話に全くついていけない。かと言って、たった4種類のABO式血液型で、人間の性格を分類出来るわけがないと思っているので、知識を仕入れる気もない。そもそも、自分…

3. オムレツとハートマーク

インスタグラムへの苦手意識がすこしある。アカウントを作ったのは1年とちょっと前だったか。人の投稿は微笑ましく見られるし、今もときどきチェックするが、苦手なのは自分の投稿だ。何枚か、食事の写真を上げたら、Twitterの普段の投稿の何倍もハートマー…

2. 傘と熱病

今日は大雨。梅雨入りは3日前。雨は嫌いではないが、外に出るのは憂鬱だ。自分は傘を差すのが人より下手な気がする。10分ほど歩けば、ズボンの裾が完全に濡れてしまう。中学・高校・大学と駅に近い学校だった(そして家も駅に近い)ためか、傘を差していた記憶…

1. 猫とアンカー

風呂から上がって自分の体を見ると、たいてい胸のあたりに猫にひっかかれたような三本線の傷が付いている。予想はつく。恐らく、自分で無意識のうちに掻いている。小さい頃から、自分の体のどこかをいつのまにか掻いていることがある。そもそも痒みが苦手だ…